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王座獲得に向け、3選手が会見
2022年10月28日
2022年の最終大会を迎えた鈴鹿サーキット。前回のもてぎ戦に続き、1大会2レースのフォーマットで開催されため、その前日となる10月28日の正午から金曜会見が行われた。例年、この会見ではシリーズチャンピオン獲得の可能性のあるドライバーが列席するが、今シーズンは、野尻智紀選手(TEAM MUGEN)、サッシャ・フェネストラズ選手(KONDO Racing)、平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)の3名が登場した。
司会進行のピエール北川氏より、これまでの戦いを振り返ってどう思うかと問われた3選手。まず、ランキングトップの野尻選手が「今週、チャンピオンだけを目標にして鈴鹿サーキットに入ったので、今週というか今年一年全部そうですけど何としても目標にしていたチャンピオンというものが形に出来るように精一杯やるだけかなと思っています」と緊張感ある面持ちでコメントすると、32ポイント差で追うランキング2位のフェネストラズ選手は「浮き沈みが激しく、結果が安定せず”カンペキ”ではないシーズンしたが、最終戦の鈴鹿でチャンピオン争いをすることができています。タイトル獲得は難しい状況とはいえ、昨シーズンの僕らのチーム、また僕自身からすれば考えられないような状況なので、最後まで諦めずに今週末の展開を楽しみしています」と笑顔を見せた。そして、フェネストラズ選手とは2ポイント差となるランキング3位の平川選手は、「シーズンはじめはいい形でスタートしましたが、サッシャと同じで優勝か2位かリタイヤかみたいな感じで、なかなか安定したシーズンでなかったと思います。ですがしっかりと最終戦までチャンピオン争いに残れているので、諦めずに残り2戦を戦いたいと思います」と逆転への意気込みを口にした。
ランキング1位 113pt. 野尻智紀(TEAM MUGEN)
このあと、3選手はスーパーフォーミュラ公式twitterを通じて寄せられたファンからの質問に回答。「チャンピオンに向けて、プレッシャーと楽しみな気持ちのどちらが強いですか?」という問いには、唯一、野尻選手がプレッシャーと返答。「楽しみなんてひとつもない」と苦笑いし、「1回目(のチャンピオン)より2回目のほうが重たいなと感じる」とディフェンディングチャンピオンならではの回答となった。一方、”追う側”では、フェネストラズ選手が「2位や3位ではなく、ただ勝つためにここへ来たから」と、優勝することでしか達成できないことを逆手に取って「タノシイ。チャンピオンシップを争っていたのはいつ頃かなと思うくらい久しぶりなので、プレッシャーもない」と答え、平川選手もまた「(野尻選手とは)ポイントもかなり差が開いているので、現実的なプレッシャーも感じません」とキッパリ。「(今シーズンは)自分としては予選で苦労しているので、明日、明後日で(力を)発揮できるように準備をしてきた。そこに対しての楽しみはある」と答えたが、それゆえの「予選はかなりプレッシャー」と、複雑な思いを口にした。
ランキング2位 81pt. サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
この他、今シーズンの印象的なレースを問われた野尻選手は、一番良かったレースとして「今シーズンのこれまでの流れを決定づけることになるひとつのきっかけとなった2戦目の富士」を挙げる一方、悪かったレースとして、「クルマの調子も良くて勝たないとおかしいくらいのパフォーマンスもあったのに、スタートを失敗してそのあとも抜き切ることができずレースを終わらせ、反省点があった」と、第5戦SUGOを振り返った。なお、今大会はシリーズ3度目となるワンデーレースの連戦だが、「予選と決勝を一日で行うレースでは、メンタルの部分できつくないか?」という質問に対し、「どのドライバーも同じ条件だが、(日を分けて行うよりは)難しい状況」と答えたフェネストラズ選手。クルマも自身の身体、メンタルもまだウォームアップしない”ぶっつけ本場”のような戦いになると例えながら、「大変なことだが、個人的には同じ日にやるのもノリノリで楽しい」と答えた。また、シーズン中、幾度となくオーバーテイクを披露してきた平川選手は、会心のオーバーテイクはどのレースかと問われ、しばし思案。「このふたり(野尻、フェネストラズ)を抜いたときですかね」と会場の笑いを誘いつつ、「ひとつ選ぶとすれば初戦(富士)。野尻選手をバトルで抜いて優勝したのは今シーズンの今までのベストなレースなので、明日、明後日でそれ以上(の結果が)出せるように頑張りたい」と健闘を誓った。
ランキング3位 79pt. 平川亮(carenex TEAM IMPUL)
続いて記者からの質疑応答では、昨シーズンは一人で金曜会見に臨んだ野尻選手が、去年との心境の違いを問われた。「去年のこの会見は楽しかったという印象がある」と笑ったが、「今年のほうがだいぶピリピリしてる自分がいるなっていうことが一番違う。ライバルがいることもそうだが、(今回は)ダブルヘッダーとして2戦あって、僕自身流れをつかめなければ逆転される可能性もあるんじゃないかと思っている。それがどれだけ大変なことか自分たちが一番良くわかっているし、この”ダブルヘッダー”が僕をさらにピリつかせていると思う」とポイントで大きくリードしながらも、まったく気を緩めていない様子がうかがえた。そして、およそ2ヶ月のインターバルを経て迎える最終大会に向けてのどのような準備をしたかを問われた3選手は、「やり方として何も変えずに自分としてベストをどう尽くせるか、そこが最大限自分のパフォーマンスを引き出すコツかなと思っているので、ただベストを尽くすことだけを考えて集中したいと思っている」と、野尻選手はいつもと変わらぬアプローチで臨むとコメントしたが、ポイントリーダーを追うフェネストラズ選手と平川選手は、「シーズン中とはそれほど変わらないが、今回は予選でポールポジションを獲得することがとても重要なのでチームと策を練ってきた。週末、思う存分ベストを尽くして走りたいし優勝できたらいいと思う」(フェネストラズ)、「今年の2戦は雨だったし、昨年のレース(第2戦、第7戦)はどちらも2位だったので、今週は両方とも1位でいけるようにというモチベーションでしっかりと準備してきた」(平川)と、共に予選、決勝での快進撃に賭ける強いこころざしを述べ、会見を終えている。