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2019年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第2回公式合同テスト初日レポート

2019年3月26日

長い冬が終わり、ようやく春らしい温かさに恵まれる日が増えてきた静岡県富士スピードウェイ。3月最終週にあたる26日(火)〜27日(水)には、毎年この時期恒例となっている全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式合同テストが行われた。3月上旬、三重県鈴鹿サーキットで行われた公式合同テストに続き、ニューシャシーSF19を使用してのテストは今回が2度目だが、開幕前最後の走行機会となる。そのため、セッション開始から、各チーム・ドライバーは、精力的に走行を重ねた。午前中は曇り、午後からは晴れとなった初日のセッションで総合トップタイムをマークしたのは、No.1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。これに、No.3 山下健太(KONDO RACING)、No.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)と続いている。

 搬入日となった月曜日は、温かな晴れ。だが、テスト初日となった26日(火)は、あいにく朝から曇り空となった。スーパーフォーミュラの走行開始1時間ほど前からは、ポツポツと雨も降り、路面は一時セミウェットに。しかし、午前8時45分から行われたプロモーションビデオ撮影に続き、午前9時からのテストセッションが始まる頃には完全に雨が止み、各車スリックタイヤでの走行となっている。
 気温9℃、路面温度11℃というコンディションのもと、セッションが開始されると、11チーム・20台のマシンが順次コースへと入っていく。この中で、REAL RACINGの17号車には、レギュラードライバーのトリスタン・シャルパンティエではなく、塚越広大が搭乗。塚越は、午前中のセッションを使用して、経験のないシャルパンティエのためにベースセットアップを確認する役割を担った。
 さて、今回のテストでは、前回の鈴鹿から持ち越したスリックタイヤ3セットに加え、新たに供給されるミディアムが4セット、ソフトが2セット。計9セットのスリックタイヤを使用することができるが、初日午前中のセッションから、5名のドライバーは早くもニュータイヤを投入。No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.36 中嶋一貴(VANTELN TEAM TOM’S)、No.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)はミディアムのニュータイヤで周回を重ねていく。また、山本はソフトのニュータイヤでコースインするが、スクラブのみでピットイン。すぐにミディアムのニュータイヤに履き替え、そこから本格的な走行に入っている。他のドライバーの多くは、ミディアムのユーズドタイヤで走行を開始。No.65 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)はソフトのユーズドタイヤで走り始めている。開幕戦にどのタイヤをどういう状況で持ち越すか。鈴鹿テストからの各チームのタイヤの状況や、それぞれの考え方によって、今回のテストでは最初から装着するタイヤが分かれた。
 
 この最初のセッションは、中盤にかけて4回もの赤旗が提示される波乱の展開。開始からわずか11分というところで、富士初走行のNo.7 アーテム・マルケロフ(TEAM LEMANS)がヘアピンでスピン、ストップし、最初の赤旗が提示された後、開始から35分というところでガス欠のために山本が最終コーナー入り口でストップ。山本のマシン回収が終わって、午前9時43分にセッションが再開されると、その直後にダンロップコーナーで、一貴の左フロントタイヤが脱落してストップし、3度目の赤旗が提示された。さらに、開始から1時間05分というところで、牧野がダンロップコーナーでリヤブレーキをロックして、エンジンストップ。ほぼ同時にNo.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が電気系トラブルから最終コーナーでストップし、4度目の赤旗が提示された。その後のセッション後半はスムースに進み、各車テストメニューをこなしていく。各ドライバーのタイムもアップ。4回目の赤旗後には、ソフトのユーズドタイヤに履き替えたNo.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が真っ先に1分22秒021と22秒台に突入してくる。また山本がユーズドのミディアムタイヤで1分23秒189、キャシディもユーズドのミディアムタイヤで1分23秒272とタイムを伸ばしてきた。さらに、同じくミディアムのユーズドタイヤでルーキーのNo.39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が1分22秒933までタイムアップしてくる。その後、セッション終盤には、山本、No.15 ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)、野尻の3人がソフトのニュータイヤを投入。No.5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、塚越、関口、牧野がミディアムのニュータイヤを投入して、タイムアタックのシミュレーションへと向かった。ここでトップタイムを書き換えたのは、山本。今回のテストでは両日とも午前中のみオーバーテイクシステムが使用できることになっているが、それを使用しながらアタックを敢行した山本は、チェッカー目前に1分21秒742までタイムアップ。テスト初日の第一セッションにして、早くも非公式ながらコースレコード更新するタイムをマークしている。チェッカーと同時に、2番手に滑り込んできたのは、No.3 山下健太(KONDO RACING)。山下はソフトのユーズドタイヤでオーバーテイクシステムを稼働させながらアタックシミュレーションを敢行。鈴鹿での好調ぶりを維持し、1分21秒954というタイムを叩き出した。以下、パロウ、山下と同じくユーズドのソフトタイヤでアタックしたNo.4 国本雄資(KONDO RACING)、野尻、ティクトゥム、ソフトのユーズドでアタックした可夢偉、福住と続いている。
 そこから約3時間のインターバルを経て、午後1時45分からは、再びプロモーションビデオの撮影。それに続いて午後2時から2回目のセッションが始まった。インターバルの間に、空には晴れ間が広がり、気温・路面温度も急上昇。2回目のセッションは、気温17℃、路面温度24℃というコンディションのもとで始まった。このセッションでは、REAL RACINGのドライバーが、塚越広大からトリスタン・シャルパンティエにスイッチ。シャルパンティエは、初めて富士のコースを走行した。その他のドライバーは、ほとんどがミディアムのユーズドタイヤでコースインし、今回用意してきたテストメニューに沿っての走行に入る。足回りのセットアップを試したり、空力のバランスを見たりと、メニューはチームごとに様々。ルーキードライバーたちは、セットアップを試すと同時に、富士でのSF19の走り方も煮詰めていった。また、中には、レースを見据えてロングランを行うドライバーも。中でも、午前中3番手のタイムをマークしていたパロウは、精力的に走り込みを行なった。
 そして、セッション終盤に入ると、何人かのドライバーがニュータイヤを投入、自己ベストをマークしている。中でも、チェッカーまで約20分というところで、ソフトのニュータイヤを装着して、自己ベストをマークしたのは、No.50 ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)。アウアーも富士は初走行だったが、ここで1分22秒391をマークし、一時トップに立つ。その後、チェッカーと同時に午後のトップタイムを書き換えたのは、坪井。坪井は、この日初めてソフトのニュータイヤを装着してコースに出ると、2周続けてタイムアタックを敢行し、1分22秒204を叩き出した。坪井とほぼ同じタイミングでニュータイヤでのアタックを行なったNo.38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)は、1周のみのアタックで1分22秒393をマーク。坪井、アウアーに続き、午後のセッションを3番手で終えている。以下、山下、No.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.51 ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)、牧野、野尻と続いた。

 初日と同様、春らしい温かさに恵まれるという予報が出されている明日27日(水)は、いよいよテスト最終日。午前9時から11時までと、午後2時から4時までの計4時間のセッションで、各チーム、各ドライバーは開幕前の仕上げに取り掛かることになる。

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