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 第6戦 スポーツランドSUGO・プレビュー

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チャンピオンシップもいよいよ佳境に突入!タイトル争奪へのサバイバル。
 第6戦 スポーツランドSUGO・プレビュー

2017年9月19日

ピエール・ガスリーの2連勝で幕を閉じたオートポリスでの第5戦から2週間。全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦は、宮城県スポーツランドSUGOに舞台を移して開催される。そのSUGOは、国内屈指のチャレンジングなコース。エスケープゾーンがほとんどなく、わずかなミスがスピンやコースアウトにつながる。だが、その分、ドライバーたちにとってはやりがいのあるコース。特に、後半のSPイン&アウトコーナーから10%の上り勾配でSUGOの名物コーナーともなっている最終コーナーは、“攻めがい”のある場所だ。ただし、コース幅は狭く、オーバーテイクが容易ではないことも、このコースの持ち味。最終コーナーから上手くスリップストリームに入って、1コーナーから3コーナーにかけて横並びになれば、何とか前に出られるチャンスもあるが、スーパーフォーミュラのレベルになると、ドライバーのミスが少ないこともあり、かなり難しいだろう。

さて、そんなSUGOのレースは、過去2戦のもてぎ、オートポリスとは違い、タイヤが1スペックに戻される。開幕戦鈴鹿から第3戦富士までと同様、ミディアムタイヤのみでの戦いだ。また決勝レース中のピットイン義務付けがないのも今大会の特徴。とは言うものの、ノーピットで完走するには燃費が厳しい。そのため、昨年のレースと同様、給油のみで走り切ってしまうドライバーが多いものと思われる。その場合、すでにタイヤが温まっているドライバーと、タイヤ交換をしてコールドタイヤのアウトラップを走っているドライバー間の差は生まれない。ピットアウトしてきたドライバーをオーバーテイクしようと思っても、それは至難の技となる。あとは、ピットに入るタイミングと給油量、コースに戻った時の位置などが結果を左右する重要なポイントとなってくる。その分、今大会で最も重要となってくるのは予選とスタート。上位グリッドから1コーナーまでの距離が短い分、優勝を目指すには2列目以内にはつけたいところだ。

その予選は今回もノックアウト方式で行われるが、Q1からQ3までの間でドライバーたちにとって一番難しいのはQ1。SUGOはコース全長が短く、19台が一斉に走った場合には間違いなくトラフィックが生じる。もてぎ、オートポリスで使用されたソフトタイヤよりも、今回使用されるミディアムはウォームアップにも若干時間がかかる分、理想的なスペースを探すことは簡単ではない。昨年の場合、アウトラップとウォームアップラップ合わせて3周。走り出してから実質4周目の計測3周目にアタックということで、めまぐるしい展開となりそうだ。

また、今年も土曜日朝のフリー走行ではニュータイヤを使用せず、Q1に2セット投入するドライバーが多くなるはず。さらにSUGOの場合、予選中にコースアウトするドライバーが出てくる可能性もあり、その場合はアタック中に赤旗が提示される危険性も…。もし赤旗が提示されれば、影響を受けるドライバーも出てくるだろう。しかも、タイムは超接近戦。100分の1秒台、1000分の1秒台の差でQ2進出を果たせないドライバーもいる。そういう意味でも、Q1は非常に重要だ。そして、ここで5台が脱落するとは言うものの、14台で走るQ2も状況はそれほど大きく変わらない。ここでも巧みなトラフィック・マネージメントが要求されるはずだ。Q3に関しては、8台での走行となるが、例年タイム差は小さく、最後まで誰がPPを獲るか分からない展開になるだろう。

そして、決勝で最大の見所となるのがスタート。国内のサーキットでは唯一、緩やかな上り坂でのスタートとなるが、ここでホールショットを奪うのは誰なのか? だが、それだけでレースが決まってしまうわけではないというのが、SUGOのSUGOたる所以でもある。このサーキットを語る時、いつも言われるのは“魔物が棲んでいる”というジンクス。レース中、とにかく様々なハプニングが起こるからだ。それを証明するように、昨年の決勝でも、ある意味絶妙なタイミングでセーフティーカーが導入された。その後、すべてのマージンを失った関口雄飛が、予選ばりの猛プッシュを続けて再びギャップを築き、完全優勝を果たしたのは記憶に新しい。国内トップフォーミュラの歴史の中でも、五指に入る感動的なレースだった。それ以前にも、SUGOでは最後まで目が離せないレース展開になることは珍しくない。それだけに、今年も忘れられない1戦になることが期待される。

 

Race Format:第6戦 スポーツランドSUGO
決勝レース距離:251.88km(スポーツランドSUGO インターナショナルレーシングコース 3.704km×68周)
予選方式:ノックアウト予選方式 Q1(全車): 20分間 → Q2(14台): 7分間 → Q3(8台): 7分間
タイヤ:横浜ゴム製ワンメイク
タイヤ使用制限
・ドライ(スリック/ミディアム・コンパウンド) 競技会期間中を通して6セット
そのうち新品は4セット
前戦までに使用した“持ち越し”タイヤ2セット(これもミディアム限定)
・ウェット 競技会期間中を通して4セット
決勝中のタイヤ交換義務:なし
燃料最大流量(燃料リストリクター):90kg/h(120.6L/h)
オーバーテイク・システム(OTS):最大燃料流量10kg/h増量(90kg/h→100kg/h)
*1回につき20秒間作動×レースを通して5回まで作動
*1回の使用による燃料消費増加は75cc。5回使用で372cc増。
決勝中の給油作業義務:なし

備考(観戦のポイント)
■燃料タンク容量: およそ90+L
* 満載時のガソリン重量 約70kg
* 燃料流量上限(リストリクター)90kg/hにおける燃費を2.45km/Lと仮定した場合、レース完走に必要な燃料総量は約103L+低速周回3周分(ピット→グリッド/フォーメーションラップ/ゴール→車両保管)+OTS作動による消費量増加分
*上記想定で1周あたりの消費量 約1.53L 重量にして約1.13kg
フルタンク状態でスタートし、ピットストップで燃料補給のみ行う場合の静止時間は6秒程度。燃料補給と同時に作業できる3名で、この時間内にタイヤ交換を行うとすれば、どれか1輪、あるいは前後どちらか2輪なら可能。このケース(タイヤ無交換~2輪交換まで)の“ピットウィンドウ”(燃料補給のピットストップが1回で済む周回数)は6~64周目の間のどこかと見込まれる。
燃料補給と並行してタイヤ4本を交換する場合は作業要員4名中3名で実施するので静止時間は14秒程度。この間、燃料補給装置を接続し続けた場合、差し込み・引き抜きに要する時間を除いた12秒ほどの中で補給できる燃料量はおよそ28L(約21kg)程度。この分だけスタート時の燃料搭載量を減らす(76L程度搭載)とすれば、ピットウィンドウは20~50周目の間のどこか、と見込まれる。(いずれも極端な燃料消費節約走行をしない/セーフティカー導入がない、という前提で)
レースがウェット路面になるなど燃費が10%ほど良くなれば、無給油で走りきることが可能。
*上記想定値はいずれも実戦観察からの概算であって正確なものではない。あくまでレース観戦の参考までに。
■レース中ピットレーン走行によるロスタイム: 24~25秒(近年の実績から概算した目安程度の値)
ピットストップした周回はこれに作業のための静止時間が加わる。タイヤ交換を行った場合はさらにピットアウト後、タイヤが暖まるまでのタイム低下分が加わる。

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