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2018年 第4戦決勝レース タイヤ使用履歴

2018年7月9日


JRP調べ

横浜ゴム 高口紀貴氏のコメント

「スタートは順当に前の方がS(ソフトタイヤ)、後ろはM(ミディアムタイヤ)というイメージを持っていました。今回、Sタイヤがどのくらい持つの? という話があまりなかったんです。気にしていなかったのですが、多分、各エントラントでそれなりの目論見があったのだと思います。Sタイヤを信じてくれているチームは40ラップくらいは持つだろうという感じだったのでしょうかね。特に最初にMタイヤで出た後ろ側の人たちが早い段階でのピットインを行いましたよね? 9ラップとか…。(註:最短は9周終了時点。No.65 伊沢拓也、No.18 小林可夢偉、No.7 トム・ディルマンの3選手がピットインした)これに対して、ちょっと心配はしていました。Sタイヤで45ラップは走らなきゃいけないわけで…。持つのかな、と気になりました。あの路面温度なら40ラップは行くと思っていましたが、その先はギャンブルに思えましたね。そういう意味では、Sタイヤが作動しないとか、ストレートでタイヤが冷やされてアタックできない、というのはないだろうというイメージもあったし、レースが変になるという心配はありませんでした。
良い方の結論からいくと、Sタイヤは1分25秒中盤くらいでラップを刻むことができたし、タイムが落ち始めたのも10ラップ以上、だいたい10数ラップで1分27秒台くらいで推移して落ちていきました。ただ、Mタイヤを装着してそんなに長く走っていない人が多いのですが、このタイヤで1分27秒くらいじゃないですか。クリア(ラップ)とは言えませんが、単純に1.5秒から2秒近くSタイヤのほうが速いという結果になったので、そういう意味ではSタイヤがうまく作動したと言えますね。むしろMタイヤが遅かった、という言い方になるかもしれません。
その理由というのはなんでしょうね(苦笑)。確かに(不安定な天候の影響で)路面ができてなかったということも考えられますが、一方でSタイヤはタイムが出ていたわけだし…。レースラップで1分25秒が出ていれば悪くないですからね。(Mタイヤは)その1秒落ちくらいで走ってほしかったですね。このくらいで安定してタイムを刻んでいれば、レースももう少し拮抗したものになったと思うのですが、結果的には、”Sタイヤで40ラップで走ったもの勝ち”になってしまいました。逆に、上位陣でレースラップのほぼ半分でピットインした山本選手(註:27周終了時にSタイヤからMタイヤに交換)は、Mタイヤに標準を合わせていたと思われます。スタートダッシュでポジションを落としたので、それがなければどういう走りだったのか…。また、ポールポジションのキャシディ選手の戦略は順当だったと思います。ピットインもさほど微妙ではなく、余裕をもって入っていたようですし。ただ、Mタイヤのタイムは思ったほど伸びてはいなかったですね。
次は真夏のもてぎになりますが、負荷的には大丈夫だと思っています。ずっとSタイヤでも行けるんでしょうが、じゃあ果たしてそのメリットは? という感じですね。タイヤの空気圧を下げ目にしてストップ&ゴーに極端に振れば、Sタイヤのメリットが出るかもしれませんが…。2ピット作戦ですか? タイムロスが多すぎるように思いますね。SタイヤとMタイヤの差別化、というよりもSタイヤが真夏の暑い中でうまく頑張ってくれるはず、と思いたいですね。それが見どころになればと思います。もてぎでの2スペックタイヤによるレースは3シーズン目になるので、各チームが”タイヤ違いの策”をいろいろ考えてくるんじゃないでしょうか」

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