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高桐 唯詩 スーパー・クリップ 2020年最終戦 編
2020年12月29日
クリップNo.57 山本 尚貴
「おばあちゃんは3回喜ぶ」
3度目のチャンピオン獲得を心から祝す!
日本のレース界をリードする日本一の男。
今年はフリープラクティスではあえてタイムにこだわらず、
レースセッティングを煮詰め、多少予選が振るわなくとも、
決勝に強かった。
開幕戦もてぎ。20周目、90度コーナーで可夢偉に追突、13位。
第2戦岡山は6位。第3戦菅生は予選Q3に進めず10位発進。でも、
スタートダッシュと早めの攻めで3位表彰台に乗った。
第4戦オートポリス決勝は野尻に次ぐ2位表彰台。
そして第5戦鈴鹿はポールツウウイン。安定感が増してきた。
第6戦はギアトラブル。クルーをねぎらう姿が印象的だった。
そして富士。タイヤ交換後、平川とのデッドヒート。
正真正銘のレース。抜かれたら抜き返す熱血のレースの末、
落ち着いて載冠を決めた。
鬼怒川の祖母の家の近くで、キッズカートに出会い、
父の影響でF1大好き。セナをビデオで見て今も尊敬。
家族を愛し、2018年天国に召された祖母には毎回、王座の報告をしてきた。
おばあちゃんは3回目も喜ぶ。いやいやもっと喜ばせよう!
日本のレース界をリードする日本一の男。
今年はフリープラクティスではあえてタイムにこだわらず、
レースセッティングを煮詰め、多少予選が振るわなくとも、
決勝に強かった。
開幕戦もてぎ。20周目、90度コーナーで可夢偉に追突、13位。
第2戦岡山は6位。第3戦菅生は予選Q3に進めず10位発進。でも、
スタートダッシュと早めの攻めで3位表彰台に乗った。
第4戦オートポリス決勝は野尻に次ぐ2位表彰台。
そして第5戦鈴鹿はポールツウウイン。安定感が増してきた。
第6戦はギアトラブル。クルーをねぎらう姿が印象的だった。
そして富士。タイヤ交換後、平川とのデッドヒート。
正真正銘のレース。抜かれたら抜き返す熱血のレースの末、
落ち着いて載冠を決めた。
鬼怒川の祖母の家の近くで、キッズカートに出会い、
父の影響でF1大好き。セナをビデオで見て今も尊敬。
家族を愛し、2018年天国に召された祖母には毎回、王座の報告をしてきた。
おばあちゃんは3回目も喜ぶ。いやいやもっと喜ばせよう!
クリップNo.56 平川 亮
「悔しいが、実り多き一年だった」
夏の終わり、もてぎ開幕。激震のシーズンは、
平川亮のポール・ツー・ウインで始まった。
「ミスしなければ勝てます」自身に満ち溢れていた。
星野一義総監督は「後ろに敵を背負いながらよく頑張った。
マシンはまだ完璧じゃない。言いたくないけど」と語った。
第2戦岡山もポール。決勝4位。第3戦菅生はニック・キャシディが、
底力を見せ平川2位。山本3位。これでシーズンは一気に白熱化した。
平川に陰りが出たとすればオートポリスの予選Q1。残り2分、
セクター2までベストタイムで来たが最終コーナー手前でクラッシュ。
決勝は12位に終わった。第5戦鈴鹿もミッショントラブルで最後尾スタート。
あの23周目、4ワイドからのクラッシュで、またマシンを傷めた。
第7戦富士はまさしくチャンピオンを賭けた大バトル。正々堂々の闘いに
感動した。時々、タービュランスで車が揺れた。苦しいレースの結果は6位。
悔しい。しかし実り多きシーズンだった。そしてまだ先がある。
素晴らしきグッド・ルーザーに乾杯!
平川亮のポール・ツー・ウインで始まった。
「ミスしなければ勝てます」自身に満ち溢れていた。
星野一義総監督は「後ろに敵を背負いながらよく頑張った。
マシンはまだ完璧じゃない。言いたくないけど」と語った。
第2戦岡山もポール。決勝4位。第3戦菅生はニック・キャシディが、
底力を見せ平川2位。山本3位。これでシーズンは一気に白熱化した。
平川に陰りが出たとすればオートポリスの予選Q1。残り2分、
セクター2までベストタイムで来たが最終コーナー手前でクラッシュ。
決勝は12位に終わった。第5戦鈴鹿もミッショントラブルで最後尾スタート。
あの23周目、4ワイドからのクラッシュで、またマシンを傷めた。
第7戦富士はまさしくチャンピオンを賭けた大バトル。正々堂々の闘いに
感動した。時々、タービュランスで車が揺れた。苦しいレースの結果は6位。
悔しい。しかし実り多きシーズンだった。そしてまだ先がある。
素晴らしきグッド・ルーザーに乾杯!
クリップNo.55 坪井 翔
「時代は変わっていく。誰も止めることはできない」
2019年のデビューイヤーは鈴鹿5位。富士で2位。ランキング12だった。
今年の開幕戦は5コーナーでリタイヤ。第2戦岡山では予選8位から初優勝。
大先輩石浦宏明とのランデブー・ワンツーを達成し、涙を流した。
なにせ予選でコーナーに突き刺さり、メカニックに負担をかけたと落ち込み、
心はボロボロだった。
菅生とオートポリスはポイント圏外に終わり、第5戦鈴鹿は、
笹原、可夢偉、平川と4ワイドで1コーナーに向かい、接触の末リタイヤ。
第6戦は歯を食いしばって4位。そして最終戦富士は予選2位から優勝。
「2勝しているドライバーはいませんから勝ちたいです」
そう言い切ってレースをリード。優勝し、ドライバーズランキイング
3位を獲得した。
2020年は大湯を始め、若い才能が光った。2021年もさらに新しい才能が加わり、
時代を変えていくことだろう。厳しい世界だがやりがいはある。
頑張ってくれ。
冒頭のキャッチは、アメリカのフォークシンガー、ボブ・ディランの言葉。
今年の開幕戦は5コーナーでリタイヤ。第2戦岡山では予選8位から初優勝。
大先輩石浦宏明とのランデブー・ワンツーを達成し、涙を流した。
なにせ予選でコーナーに突き刺さり、メカニックに負担をかけたと落ち込み、
心はボロボロだった。
菅生とオートポリスはポイント圏外に終わり、第5戦鈴鹿は、
笹原、可夢偉、平川と4ワイドで1コーナーに向かい、接触の末リタイヤ。
第6戦は歯を食いしばって4位。そして最終戦富士は予選2位から優勝。
「2勝しているドライバーはいませんから勝ちたいです」
そう言い切ってレースをリード。優勝し、ドライバーズランキイング
3位を獲得した。
2020年は大湯を始め、若い才能が光った。2021年もさらに新しい才能が加わり、
時代を変えていくことだろう。厳しい世界だがやりがいはある。
頑張ってくれ。
冒頭のキャッチは、アメリカのフォークシンガー、ボブ・ディランの言葉。
クリップNo.54 ニック・キャシディ
「ありがとうニック。僕たちは忘れない」
今年はいかにもニック・キャシディらしいレースが見られて
楽しかった。
日本のドライバーにはない野性的な強さ、その反面ナイーブな心。
開幕戦は予選11位.決勝6位。第2戦岡山は予選10位。ピットストップを遅らせ、
猛然と飛ばして3位に入ったが「優勝できたはずだ」と声を上げた。
第3戦菅生は最もニックらしかった。予選は4位。セーフティーカー明けに
力を爆発させ、山本を抜き、平川を抜いてトップに立ち優勝を飾った。
オートポリス決勝は7位。ポイントを稼ぎつつ、第5戦鈴鹿5位。
しかし第6戦はエンジンが白煙を噴き上げリタイヤ。
最終戦は最後尾から追い上げなんと4位。残念ながらカーナンバー1を
山本に譲り渡し、日本を去ることにした。
ターゲットは世界。フォーミュラEから、また次のチャンスが生まれるかもしれない。
レースが終わって、今年いっぱいでスーパーフォーミュラを降りる決心をしている
石浦と握手。
ありがとうニック。君の未来を応援する。そして、ありがとう石浦。
楽しかった。
日本のドライバーにはない野性的な強さ、その反面ナイーブな心。
開幕戦は予選11位.決勝6位。第2戦岡山は予選10位。ピットストップを遅らせ、
猛然と飛ばして3位に入ったが「優勝できたはずだ」と声を上げた。
第3戦菅生は最もニックらしかった。予選は4位。セーフティーカー明けに
力を爆発させ、山本を抜き、平川を抜いてトップに立ち優勝を飾った。
オートポリス決勝は7位。ポイントを稼ぎつつ、第5戦鈴鹿5位。
しかし第6戦はエンジンが白煙を噴き上げリタイヤ。
最終戦は最後尾から追い上げなんと4位。残念ながらカーナンバー1を
山本に譲り渡し、日本を去ることにした。
ターゲットは世界。フォーミュラEから、また次のチャンスが生まれるかもしれない。
レースが終わって、今年いっぱいでスーパーフォーミュラを降りる決心をしている
石浦と握手。
ありがとうニック。君の未来を応援する。そして、ありがとう石浦。
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Super Clip スーパー・クリップ
レースウイークエンドの鮮烈なモーメントを
超一流フォトグラファーと詩人が捉える新コーナー。
今回は「トップ4ドライバーの総集編」というテーマで
Photography by M.Kobayashi & Y.Onishi
Word by Tadashi Takagiri
執筆者紹介
Tadashi Takagiri
詩人&ジャーナリスト。1970年よりレース取材。フジテレビF1中継の
アバン・タイトル・ポエムすべてを執筆。F1総集編30年執筆。
伝説のラジオ番組「アドバンサウンドコックピット」構成者。